遺言書を書いておいたほうが良い人とは?

相続の相談をされるときに、『遺言書は書こうとおもっているんだけどね。』、『書かなくても大丈夫ですよね?』、『財産がないから書く必要はないです。』、『書いたほうがよいですか?』と言われます。

そんな時に私がいうことは、『必ず書いておいたほうが良いです。』ということをお伝えします。

目次

なぜならば、

私自身の経験で遺言書があった時とない時の煩雑さが違うこと。もしもの相続争いのトラブルを少しでも軽くできるからです。

有効な遺言書がある場合、遺産分割協議を必要とせず、遺言に書いてあるとおりに財産は承継されるからです。

さらに言うと、遺言書は元気な時にしか書けません。その元気はいつまで続くのかは誰にもわかりません。明日は我が身です。

今のご時世いつ何が起こっても不思議ではないので、遺言書を書こうと思っている人は直ぐにでも書きましょう!!

 

では、どういう人が遺言書を書いたほうがよいのでしょうか?

 

年齢が65歳以上の人

 

 日本人の平均寿命
(単位 年)
年次
昭和 60 74.78 80.48
平成 2 75.92 81.90
7 76.38 82.85
12 77.72 84.60
17 78.56 85.52
22 79.55 86.30
25 80.21 86.61
26 80.50 86.83
27 80.75 86.99
28 80.98 87.14
平均寿命とは0歳の平均余命。平成25,26,28年は簡易生命表による。
資料 厚生労働省「生命表」「簡易生命表」

 

この厚労省にデータによると男性の平均寿命は81歳、女性は87歳だそうです。

もうひとつの指標として健康寿命というものがあります。

 

健康寿命とは?

 

日本の健康寿命といえば、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。

 

この健康寿命それによると、健康寿命世界1位は日本で74.9歳でした。
シンガポールが2位で73.9歳、韓国が3位で73.2歳でした。

細かく言うと男性は70歳、女性は75歳という結果です。

ということは、65歳から70、75歳までの間となると後5~10年しかありません。あっという間に過ぎていく時間は帰ってきません。

 

不動産を複数持っている人

 

不動産は一番分けづらい財産です。

一つの不動産を複数人で共有するということもよくある事例ですが、この状態は良い状態とは言えません。

不動産を管理する上で問題になってくるのが、売却時などの時に全員の同意が必要です。取引が進むにつれて、『やはりやめよう。』と思ってくる人がいたらそれで話は進まなくなります。

相続人の仲が良ければよいのですが人の気持ちはずっと同じということはないです。もしそのまま代替わりして子供たちの代になった時も仲が良いのかは本当にわかりません。

それなので不動産をお持ちの方は、『どの不動産を』『誰に』渡すのかをしっかり遺言書に書いて、トラブルを未然に減らしてもらいたいと思います。

 

子供がいない夫婦

 

お子さんがいない夫婦の場合は配偶者の一方が亡くなった時、残された配偶者と亡くなった方の尊属(父母、祖父母)が相続人となります。

尊属が亡くなっている場合は、残された配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹が相続人となります。

亡くなった方の年齢がある程度の年齢に達しているときはその親御さんもなくなっていることが多いとと思われますので、兄弟姉妹が相続権を持つことが多いと思います。

実際はその兄弟姉妹も亡くなった方と近い年齢なので兄弟姉妹も亡くなっている場合はその子供(甥、姪)に移っていくことになります。

そうなると、あまり接点のない甥、姪に自分で築いてきた財産を渡すとずっと連れ添ってきた配偶者の財産が減ることになり、今後の生活にも支障をきたすことになるやもしれません。配偶者に全財産を残したいt思うのが普通だと思います。

そんなときに、遺言書で全財産を配偶者に相続させると書いておくことをおすすめします。

 

障害を持った子供がいる

 

障害を持つ子供がいる場合、もしも自分に何かあったらこの子の今後の生活はどうなるのだろう?と思う親御さんは多いと思います。

このようなケースとしては、その子の生活を支援することを条件として第三者に財産を渡すという方法もあります。

ただ、この第三者が簡単には見つからないという高い壁があります。

この点私は、NPO法人成年後見支援センター埼玉にも在籍していますので、そこを介して第三者になることができますので一度ご相談してください。

 

相続人がいない

 

おひとりさまの中には相続人が独りもいない方なども多くいます。

先のブログでも述べましたが、おひとり様の財産はどこに行くのかというと、内縁の妻や療養看護などをしてくれた方に承継するか、そういった方がいない場合は最終的に国庫に帰属します。

このようなおひとり様には以前お世話になった人に、以前から気になっていた財団や団体に、先祖からお世話になっているお寺などに寄附がしたい。

ということも昨今の相談事例が増えてきているのが実情です。

どういう人が遺言を書いたほうが良いかはました。まだまだ上げきれないほどいます。

先にも述べましたが、遺言は元気な時にしか書けないものです。なので、書けるときに書いておくことをおすすめします。

 

当事務所では定期的に『知ってあんしん!!学んであんしん!!遺言書学習会』を開催しておりますので、ぜひご参加ください。