【運送業リスク対策 第5回】行政処分を避けるために何をしておくべきか

〜派手ではないが、一番効く話〜

運送業専門行政書士の島岡です。
ここまで、
行政処分の仕組み、
事業停止や車両停止の実態、
そして会社に与える影響について見てきました。

最終回では、
「じゃあ、どうすれば行政処分を避けられるのか」
という話をします。
特別な裏技はありません。
むしろ、拍子抜けするほど地味な話です。
ですが、
実際に処分を受けていない会社は、例外なくここを押さえています。


「完璧」を目指さない

行政処分を避けようとすると、
つい「全部きちんとやらなきゃ」と思いがちです。
ですが、現場を見ていると、
完璧な会社はほぼ存在しません。

大事なのは、

  • できていないことを把握しているか
  • できていない理由を説明できるか
  • 改善しようとしているか

この3点です。

監査や指導の場面で一番まずいのは、
「できている“つもり”です」と言ってしまうことです。


点呼・記録は「形」より「中身」

点呼や帳簿は、
どうしても「書類仕事」として扱われがちです。
ですが行政の見方は違います。

  • 点呼は、事故を防ぐ最後の関門
  • 記録は、事故後に会社を守る証拠

ここが形だけになった瞬間、
行政処分への距離は一気に縮まります。
特に、
「忙しかったから」
「いつも通りだったから」
この言葉が出始めたら要注意です。


問題は“起きてから”ではなく“溜まってから”表に出る

多くの会社で、
行政処分のきっかけは「ある日突然」のように見えます。
ですが実際は、

  • 小さな不備
  • 見て見ぬふり
  • 後回し

こうしたものが、
静かに溜まった結果として表に出てきます。

行政処分は、
いきなり来るのではなく、準備が整った状態で来る
そう言ったほうが近いかもしれません。


「外からの目」を入れている会社は強い

処分を避けている会社に共通する特徴の一つが、
自分たちだけで判断しない という点です。

  • 第三者にチェックしてもらう
  • 指摘を「攻撃」ではなく「材料」と捉える
  • 面倒でも一度立ち止まる

これができる会社は、
結果として行政処分から遠ざかります。


行政処分は“特別な会社”だけの話ではない

ここまで読んでいただいて、
「うちはそこまで大きな会社じゃないから」
と思った方もいるかもしれません。

ですが、
行政処分は規模の大小に関係なくやってきます。
「うちは小さい会社だから大丈夫でしょ」
これは、運送業界の根拠なき都市伝説です。

行政が見ているのは、会社の大きさではなく、
日常の積み重ね です。

まとめ(最終回)

行政処分を避けるために必要なのは、
特別な対策ではありません。

  • 完璧を装わない
  • 日常を軽視しない
  • 問題を先送りしない
  • 外の視点を恐れない

これだけです。
派手さはありませんが、これが一番、効きます。

行政処分は、避けられない運命ではありません。
日常の向き合い方次第で、
十分に距離を取ることができます。