貨物利用運送事業とは、荷主からの依頼により、他の事業者(実運送事業者)が経営する船舶(外航・内航)、航空(国内・国際)、鉄道、自動車の運送事業を利用して、有償で荷主の貨物を運送する事業のことです。
簡単に言えば、自社では車両を持たず、荷主からの依頼を受け、外注で実運送事業者を使って荷物を運ぶという業態の事です。
利用運送事業者は、荷主との間で運送契約(請負)を結び、さらに、利用運送事業者は、運送事業者との間で運送契約(請負)を結びます。
依頼先への責任は、利用運送事業者が負います。
貨物利用運送事業は、第一種と第二種の二種類あります。
・第一種貨物利用運送事業(登録) 運送手段が一種類のみ(トラックのみなど)。
・第二種貨物利用運送事業(許可)運送手段が複数(トラック+鉄道、トラック+船など)。
運送業は「貨物自動車運送事業法」が根拠法であり、貨物利用運送業は「貨物利用運送事業法」が根拠法となります。
第一種貨物利用運送事業の許可を取得するには、「国土交通大臣の行う登録」を行う必要があります。
目次
貨物利用運送事業の要件
◆営業所・店舗について
ア、使用権原を有すること。
イ、農地法・都市計画法・建築基準法に抵触しないこと。市街化調整区域の中にある建物は
基本的に営業所として使用出来ません。
◆保管施設について(保管施設を必要とする場合)
ア、使用権原を有すること。
イ、農地法・都市計画法・建築基準法に抵触しないこと。
ウ、規模が適切であること。
◆財産的要件について
純資産額300万円以上あること。
◆経営主体
第一種貨物利用運送事業の登録を受けるに際し、以下の拒否事由に該当する場合は登録を受けることができません。
ア、申請者が一年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過した者。
イ、第一種貨物利用運送事業の登録又は第二種貨物利用運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者。
ウ、申請前二年以内に、貨物利用運送事業に関し不正な行為をした者。
エ、法人の場合は、その法人の役員(名称を問わず、役員と同等以上の職権や支配力を有する方を含む)が前記のいずれかに該当する者が所属する法人。
オ、事業に必要な施設を有しない者。
カ、事業を遂行するために必要な財産的基礎を有しない者。
・必要書類
ア、登録申請書
イ、事業計画
ウ、利用する運送を行う実運送事業者または貨物利用運送事業者との運送に関する契約書の写し
・業務取扱契約書等
エ、貨物利用運送事業の用に供する施設に関する事項を記載した書類
・都市計画法等関係法令に抵触しないことを証する書類(宣誓書)
・営業所等の使用権限を有することを証する書類(宣誓書)
○貨物の保管体制を必要とする場合
・保管施設の面積、構造及び附属設備を記載した書類
・使用権原を有している事を証する書類(宣誓書)
オ、既存の法人の場合
・定款または寄付行為および登記簿の謄本
・最近の事業年度における賃貸借表
・役員または社員の名簿および履歴書
カ、法人を設立使用とする場合
・定款または寄附行為の謄本
・発起人、社員または設立者の名簿および履歴書
・設立しようとする法人が株式会社または有限会社である場合にあっては、株式の引受けまたは出資の状況および見込みを記載した書類
キ、個人の場合
・財産に関する調書
・戸籍抄本
・履歴書
ク、法第六条第一項第一〜五号のいずれにも該当しない旨を証する書類(宣誓書)
料金
15万円(税別)~
その他必要費用:登録免許税 9万円