一般貨物新規許可を行政書士へ依頼する費用と選び方|料金だけで決めて大丈夫?
一般貨物自動車運送事業の新規許可を行政書士へ依頼しようと調べていると、事務所によって料金にかなり差があることに気づくと思います。
「できるだけ安い行政書士に頼みたい」
「料金が高い事務所と安い事務所では何が違うの?」
「どこまでやってくれるのか分からない」
このように迷われる方も多いのではないでしょうか。
一般貨物新規許可の行政書士費用を比較するときに重要なのは、表示されている料金だけを見るのではなく、その料金に何が含まれているかを確認することです。
新規許可では、申請書を作成するだけでなく、
- 営業所・休憩(睡眠)施設・車庫の確認
- 土地・建物の関係法令調査
- 前面道路の確認
- 現地調査
- 車両や物件の契約内容の確認
- 必要資金・資金計画の確認
- 法令試験対策
- 審査中の補正対応
- 許可後の緑ナンバー登録
- 運輸開始までの各種手続
など、さまざまな確認や手続があります。
この記事では、一般貨物新規許可を行政書士へ依頼する場合の費用と、依頼後に「こんなはずではなかった」とならないための行政書士の選び方を、運送業専門行政書士が解説します。
一般貨物新規許可を行政書士へ依頼する費用のポイント
最初に結論を整理すると、一般貨物新規許可の行政書士費用を比較するときは、次の3点を確認することが重要です。
- ① 行政書士報酬はいくらか
- ② その料金には、どこまでの業務が含まれているか
- ③ 許可を取得し、実際に運輸開始するまでに最終的にいくら必要になるか
一般貨物の新規許可では、許可時に国へ納付する登録免許税12万円も必要です。
これは行政書士報酬とは別の費用です。
そのため、見積りを比較するときは単に「申請はいくらですか?」と確認するだけではなく、
「自社が必要としているところまで全部お願いすると、最終的にいくらになりますか?」
と確認することをおすすめします。
一般貨物新規許可を行政書士へ依頼すると費用はいくら?
一般貨物新規許可の行政書士報酬は、事務所によって異なります。
また、同じ「一般貨物新規許可申請」という名称でも、実際に料金に含まれている業務範囲が同じとは限りません。
例えば、
- 申請書作成・提出だけを行う
- 営業所・車庫の事前調査まで行う
- 現地調査まで行う
- 資金計画まで確認する
- 法令試験対策を含む
- 許可後の緑ナンバー登録・運輸開始まで対応する
など、事務所によってサポート範囲が異なります。
行政書士報酬は「金額」だけでは単純比較できない
例えば、A事務所が40万円、B事務所が60万円だったとしても、A事務所では申請書作成のみ、B事務所では営業所・車庫の事前確認や法令試験対策、許可後の手続まで含まれているのであれば、単純に「A事務所の方が20万円安い」とは比較できません。
まずは料金に含まれる業務を揃えて比較することが重要です。
一般貨物新規許可の行政書士費用に差があるのはなぜ?
一般貨物新規許可では、申請書を提出するまでにも多くの確認事項があります。
例えば、次のような違いがあります。
| 確認する項目 | 比較したいポイント |
|---|---|
| 許可要件の事前確認 | 申請書作成前に要件を確認するか |
| 土地・建物 | 都市計画法・建築基準法等を確認するか |
| 前面道路 | 車庫前面道路の幅員等を確認するか |
| 現地調査 | 営業所・休憩(睡眠)施設・車庫を現地確認するか |
| 契約書 | 物件・車両の契約内容まで確認するか |
| 資金計画 | 実際の事業計画から必要資金を計算するか |
| 法令試験 | 教材・過去問題・講義等の対策があるか |
| 補正対応 | 審査中の補正対応が料金に含まれるか |
| 許可後 | 緑ナンバー・運輸開始まで対応するか |
| 追加料金 | 別料金となる業務が明確になっているか |

したがって、ホームページに掲載されている料金だけで判断せず、どこからどこまでがその料金に含まれているのかを確認しましょう。
安い行政書士に依頼すれば一般貨物新規許可の費用を抑えられる?
料金が安いこと自体が問題なのではありません。
必要な業務だけを依頼し、その他の調査や準備をご自身で行うのであれば、個別に依頼することで費用を抑えられる場合があります。
一方、当事務所へご相談いただいた方から、
「最初は安いと思ったが、必要な業務を追加していったら想定より高くなった」
というお話を聞くこともあります。
そのため、料金を比較するときは、
「この金額で許可申請のどこまで対応してもらえるのか」
を確認することが大切です。
行政書士報酬だけでなく「やり直しにかかる費用」も考える
一般貨物新規許可では、行政書士報酬以外の費用にも注意が必要です。
例えば、営業所や車庫を先に契約した後で許可要件を満たさないことが判明すれば、別の物件を探さなければならない場合があります。
その間にも賃料が発生する可能性があります。
仮に行政書士報酬を10万円抑えられたとしても、物件の変更や事業計画のやり直しによって、それ以上の費用が発生してしまえば、結果として負担が大きくなる可能性があります。
そのため、
「行政書士報酬がいくらか」
だけではなく、
「緑ナンバーで運送を開始するまでの総費用とリスク」
という視点で考えることが重要です。
営業所・車庫については、できるだけ正式契約前に許可要件を確認しておくことをおすすめします。
一般貨物新規許可を依頼する行政書士の選び方7つ

1.最終的な総額を確認する
最初に表示されている料金だけでなく、
自社が必要としている業務をすべて依頼した場合の総額
を確認しましょう。
登録免許税や実費、出張費などが別途必要になるのかも確認しておくと安心です。
2.料金に含まれる業務を確認する
同じ「新規許可申請」でも、業務範囲は異なります。
特に、
- 事前調査
- 現地調査
- 契約書確認
- 資金計画
- 法令試験対策
- 補正対応
- 許可後の手続
が含まれているか確認しましょう。
3.営業所・車庫を契約する前に確認できるか
一般貨物新規許可では、営業所・休憩(睡眠)施設・車庫が許可要件を満たしている必要があります。
実際に当事務所では、それまで営業所として使用できないと考えられていた自宅について、用途地域や建物の使用関係、使用権原等を改めて確認し、関係行政庁にも照会した結果、営業所として使用できることを確認できたケースがあります。
反対に、「使用できる」と考えて契約した物件が要件を満たさなければ、物件変更が必要になることもあります。
だからこそ、物件契約前に確認できるかどうかは重要なポイントです。
4.依頼してから申請までの進め方を説明してくれるか
一般貨物新規許可は、行政書士へ依頼したその日に申請できるものではありません。
物件、車両、人員、資金、契約書などを整理してから申請します。
関東運輸局が現在公表している一般貨物自動車運送事業の許可の標準処理期間は、申請受理後3~5か月です。
ただし、申請者側で補正に要した期間などは標準処理期間に含まれません。
また、これは行政書士へ依頼してから3~5か月という意味ではありません。
申請前の準備期間は別に必要です。
当事務所へご相談いただく方から「依頼したがなかなか申請まで進まない」というお話を聞くこともあります。
依頼前に、
- 現在どの段階なのか
- 次に何を準備するのか
- 申請までどのように進めるのか
を説明してもらえるか確認しましょう。
5.質問に具体的に回答してくれるか
一般貨物新規許可では、会社ごとに事業計画が異なります。
「この物件で大丈夫か」
といった質問に対して、単に「大丈夫です」「難しいです」と回答するだけではなく、なぜそう判断するのかを具体的に説明してもらえるかも重要です。
6.法令試験対策は「ある・ない」だけで判断しない
一般貨物新規許可では、申請後に役員法令試験があります。
行政書士事務所を比較するときは「法令試験対策あり」という表示だけでなく、
- 現在の試験に対応した教材か
- 過去問題が用意されているか
- 条文を確認できる資料があるか
- 講義や個別指導があるか
- 質問できるか
- 不合格となった場合も支援してもらえるか
まで確認することをおすすめします。
実際に当事務所では、法令試験に4回不合格となり、5回目の受験前にご相談いただいたケースもあります。
当事務所の法令試験対策では、教材・過去問題・条文集2冊・条文順過去問集・出題条文表等をご用意し、6時間の法令試験対策セミナーと家庭教師形式の個別指導を行っています。
合格するまでサポートしています。
7.許可後の運輸開始まで対応しているか
一般貨物は、許可通知を受け取ればすぐ営業開始できるわけではありません。
許可後には、
- 登録免許税の納付
- 運行管理者・整備管理者の選任・届出
- 運輸開始前確認
- 事業用自動車等連絡書の発行手続
- 車両の緑ナンバー登録
- 運賃料金設定届
- 運輸開始届
などが必要になります。
行政書士を選ぶ際には、許可申請までなのか、緑ナンバーで実際に運送を開始するところまで対応するのかも確認しましょう。
「運送業専門」の行政書士ならどこへ依頼しても同じ?
ホームページに「運送業専門」と書かれていても、サービス内容や実務経験、対応範囲はそれぞれ異なります。
そのため、「専門」という言葉だけで判断するのではなく、
- 「営業所・車庫を契約する前に確認してもらえますか?」
- 「資金計画は実際の事業計画から計算してもらえますか?」
- 「法令試験対策は具体的に何をしてもらえますか?」
- 「許可後はどこまで対応してもらえますか?」
など、具体的に質問してみることをおすすめします。
回答内容を比較することで、その事務所がどこまで対応しているのかが見えやすくなります。
島岡和雄行政書士事務所の一般貨物新規許可の費用

島岡和雄行政書士事務所では、準備状況や必要なサポートに合わせてお選びいただけるようにしています。
新規許可申請プラン|440,000円(税込)
すでに営業所・車庫・車両・人員などの許可要件を確認できている方向けのプランです。
申請書の作成・提出を中心に対応します。
土地・建物や営業所・車庫などの事前調査は含まれません。
トータルサポート|770,000円(税込)
一般貨物新規許可を計画段階から運輸開始まで一体で支援するプランです。
主なサポート内容は、
- 書類チェック・不足書類のご案内
- 今後の動き方・準備順序のご案内
- 土地・建物の関係法令調査
- 前面道路の幅員調査
- 営業所・休憩(睡眠)施設・車庫の現地調査
- 物件・車両等の契約内容確認
- 契約内容と許可要件の整合確認
- 必要資金・資金計画の確認
- 許可申請書の作成・提出
- 審査中の補正対応
- 法令試験対策
- 許可後の各種手続
- 緑ナンバー登録
- 運輸開始までのサポート
- 全体のスケジュール管理
などです。
44万円か77万円の二択ではありません
「全部任せる必要はないけれど、この部分だけ確認してほしい」という方は、必要な業務だけ個別にご依頼いただくこともできます。
| 個別サポート | 料金(税込) |
|---|---|
| 許可要件相談・資金シミュレーション | 55,000円 |
| 都市計画法等の事前調査 | 33,000円 |
| 幅員証明書の取得 | 33,000円 |
| 法令試験対策 | 55,000円 |
| 運輸開始前変更届 | 55,000円~ |
| 運行管理者選任届 | 16,500円 |
| 整備管理者選任届 | 16,500円 |
| 運賃料金設定届 | 33,000円 |
| 運輸開始前確認報告・事業用自動車等連絡書発行手続 | 55,000円 |
| 運輸開始届 | 11,000円 |
※申請内容、変更内容、出張等によって別途費用が必要となる場合があります。事前にお見積りします。
申請のみ44万円とトータルサポート77万円、どちらが向いている?
申請のみ44万円が向いている方
- 営業所・車庫の許可要件を自分で確認できる
- 土地・建物の関係法令を確認済み
- 前面道路を確認済み
- 車両・人員の要件を確認済み
- 必要資金を計算できる
- 契約書の内容を確認できる
- 主に申請書作成・提出を依頼したい
という方には、申請のみのプランが適しています。
トータルサポート77万円が向いている方
一方、
- これから営業所・車庫を探す
- この物件で許可が取れるか分からない
- 土地・建物の法令確認が難しい
- 車両の売買・リース契約を確認してほしい
- 必要資金が分からない
- 法令試験が不安
- 許可後の緑ナンバー登録まで任せたい
- 初めて一般貨物新規許可を取得する
という方には、トータルサポートをおすすめしています。
一般貨物新規許可の行政書士費用についてよくある質問
Q.行政書士に依頼せず、自分で申請することはできますか?
できます。
ただし、申請書の作成だけでなく、営業所・車庫・車両・人員・資金・契約関係などの許可要件をご自身で確認する必要があります。
全部を自分で行う方法のほか、分からない部分だけ行政書士へ依頼する方法もあります。
Q.行政書士報酬以外に必ず必要な費用はありますか?
許可時には登録免許税12万円が必要です。
このほか、車両、営業所・車庫、保険、登録、証明書取得等、実際の事業計画に応じた費用が発生します。
Q.料金の安い行政書士に依頼しても大丈夫ですか?
料金の安さだけで良い・悪いを判断することはできません。
重要なのは、その料金でどこまで対応してもらえるかです。
事前調査、法令試験、補正対応、許可後の手続などが含まれているか確認して比較しましょう。
Q.営業所や車庫をまだ契約していなくても相談できますか?
はい。
むしろ、正式に契約する前のご相談をおすすめします。
候補物件の段階で許可要件を確認することで、契約後に物件変更が必要となるリスクを減らすことができます。
Q.行政書士へ依頼してから何か月で許可になりますか?
関東運輸局が公表している現在の標準処理期間は、申請受理後3~5か月です。
ただし、これは行政書士へ依頼した日からではありません。
営業所・車庫、車両、人員、資金、契約関係などを確認して申請できる状態にするまでの準備期間は別途必要です。
また、申請者側で補正等に要した期間などは標準処理期間に含まれません。
Q.相談したら必ず依頼しなければなりませんか?
いいえ。
まず現在の準備状況を確認し、必要な手続やサポート内容をご説明します。
そのうえで、ご自身で進めるのか、申請のみ依頼するのか、個別サポートを利用するのか、トータルサポートを利用するのかをご検討ください。
まとめ|一般貨物新規許可の行政書士は料金だけで選ばない
一般貨物新規許可を行政書士へ依頼するときは、表示されている料金だけで判断するのではなく、
- 最終的な総額
- 料金に含まれる業務
- 営業所・車庫の契約前確認
- 土地・建物・前面道路の調査
- 契約書の確認
- 資金計画
- 法令試験対策
- 審査中の補正対応
- 許可後から運輸開始までの対応
を確認することが重要です。
一般貨物新規許可は、許可申請書を提出すること自体がゴールではありません。
最終的には、許可要件を満たした状態で許可を取得し、緑ナンバーで運送事業を開始することが目的です。
そのため、行政書士を選ぶときには、
「いくらか」だけでなく、「その料金でどこまで任せられるのか」
まで比較してみてください。
一般貨物新規許可を検討している方へ
島岡和雄行政書士事務所では、埼玉県を中心に、一般貨物自動車運送事業の新規許可について、計画段階から許可後の運輸開始までサポートしています。
- 「自社の場合はいくらかかるのか」
- 「申請のみ44万円とトータルサポート77万円のどちらが合っているのか」
- 「全部ではなく、必要なところだけお願いしたい」
- 「まだ営業所・車庫を契約していないが、何から始めればよいか」
という段階でもご相談いただけます。
特に営業所・車庫については、正式に契約する前にご相談いただくことをおすすめします。
一般貨物新規許可の要件・必要資金・法令試験・期間・サポート内容については、「埼玉で一般貨物自動車運送事業の新規許可」総合ページもご覧ください。

