一般貨物の運転者は何人必要?5台で新規許可を取る場合の人数を解説【埼玉】
一般貨物自動車運送事業の新規許可を取得する際、「トラックを5台用意するなら、運転者も5人いればよいのか」という疑問を持つ方もいるでしょう。
実際には、車両台数だけで必要な運転者数が決まるわけではありません。
例えば、営業所全体が週1日休業する場合と、5台を毎日運行する場合とでは、必要な運転者数が異なります。
この記事では、国土交通省の通達に示された計算方法を使い、5台のトラックを運行する場合の必要人数や、新規許可申請で注意したい人員要件について解説します。
一般貨物の新規許可に必要な運転者は何人?
一般貨物自動車運送事業では、事業計画に従って業務を行うために必要な人数の運転者を、常時選任することが求められています。
国土交通省は、運送事業者の運行形態が多様であるため、必要人数について全国一律の定量的な基準を設けることは困難としたうえで、事業計画に応じた算定方法を示しています。
したがって、トラック5台の事業計画であっても、営業日数、稼働台数、勤務時間などによって必要な運転者数を検討する必要があります。
なお、一般貨物の新規許可における最低車両台数については、別記事「一般貨物は何台から?5台要件と車両の数え方」で詳しく解説しています。
トラック5台なら運転者5人で足りる?
トラック5台を用意し、運転者5人を確保すれば、必ず新規許可の人員要件を満たすというわけではありません。
重要なのは、5台をどのように運行するかです。
国土交通省の通達では、営業所全体に公休日がある場合と、営業所全体が無休の場合について、1人1車を前提とした計算例が示されています。
営業所が週1日休みの場合と無休の場合の計算例

営業所全体が週1日休みの場合
例えば、月曜日から土曜日までトラック5台を運行し、日曜日は営業所全体を休業とする計画です。
1人が1台を担当し、各運転者も日曜日に休む場合、次のように計算できます。
5台 × 6日 = 30台日
30台日 ÷ 6日 = 5人
この条件では、単純計算上、運転者5人となります。
ただし、これは各運転者が1日の運行を適法に担当できることなどを前提とした計算です。
営業所が無休で5台を毎日運行する場合
次に、営業所を休業せず、5台すべてを毎日運行する場合を考えます。
各運転者に週1日の休日を与え、1人が1日に1台を担当する場合、計算は次のとおりです。
5台 × 7日 = 35台日
35台日 ÷ 6日 = 約5.83人
端数を切り上げると、6人となります。
国土交通省の通達では、このような無休営業所の計算について、必要人数を車両数のおおむね1.2倍とする考え方が示されています。
ただし、実際の人数は、運転者の年次有給休暇、夜間・長距離運行の交替運転者、車両の整備・検査による運休状況なども考慮して個別に判断します。
運転者が5人では足りなくなるケース

同じ5台でも、運行計画によって必要な人数は変わります。
| 運行計画 | 人数を検討する際のポイント |
|---|---|
| 平日の日中のみ運行 | 各運転者の勤務時間内に運行を終えられるか |
| 土日も5台を運行 | 休日を確保するための交替要員 |
| 昼夜交替で運行 | 昼間と夜間それぞれの必要人数 |
| 長距離運行 | 拘束時間・運転時間・休息期間 |
| 荷待ち・荷役時間が長い | 運転以外の時間を含めた勤務計画 |
毎日5台を運行する場合
営業所が無休の場合には、各運転者の休日を確保しながら必要な車両を運行できる体制が必要です。
先ほどの6人という計算は、各運転者が週6日勤務できることなどを前提としています。
実際には、運行時間や休暇なども考慮する必要があります。
昼夜交替で運行する場合
昼間に使用した車両を夜間に別の運転者が使用する場合には、各時間帯の稼働台数と運転者数を確認します。
車両が5台だからといって、運転者も5人で足りるとは限りません。
長距離運行の場合
長距離運行では、運転時間だけでなく、荷待ちや荷役作業を含めた拘束時間、勤務終了後の休息期間などを考慮する必要があります。
運行内容によっては、交替運転者の配置も検討します。
社長・役員や運行管理者は運転者を兼任できる?
社長や役員が実際に運転業務を担当する場合には、その人を含めた人員計画を検討することが考えられます。
ただし、役員であるという理由だけで、当然に運転者として算入できると判断することはできません。
実際の運転業務、他の役員業務、勤務体制などを確認する必要があります。
また、運行管理者との兼任を予定する場合には、運行管理業務を適切に実施できる体制かどうかも重要です。
兼任を前提とした申請では、実際の業務分担や選任状況を整理し、管轄運輸支局に確認する必要があります。
なお、運行管理者や整備管理者の資格・選任要件については、既存記事「一般貨物の運行管理者・整備管理者・運転者の要件とは?」をご覧ください。
アルバイト・契約社員を運転者に含められる?
運転者として常時選任できるかどうかは、単に正社員・アルバイト・契約社員といった名称だけで判断するものではありません。
貨物自動車運送事業輸送安全規則では、常時選任する運転者について、日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて使用される者、一定の試用期間中の者などを原則として除外しています。
したがって、雇用契約の期間や勤務形態、実際の勤務状況を確認する必要があります。
また、運転者として選任できることと、予定する運行を担当するために必要な勤務時間を確保できることは、別の問題です。
短時間勤務の運転者を予定している場合には、事業計画に必要な時間帯を担当できるかについても確認しましょう。
改善基準告示を踏まえた必要人数の考え方
運転者の人数を検討する際には、改善基準告示に適合する勤務計画を組めることも重要です。
2024年4月から適用されているトラック運転者の主な基準は、次のとおりです。
| 項目 | 原則 |
|---|---|
| 1日の拘束時間 | 13時間以内、延長時は原則最大15時間 |
| 14時間を超える拘束 | できるだけ少なくし、週2回までを目安とする |
| 休息期間 | 継続11時間以上を与えるよう努めることを基本とし、9時間を下回らない |
| 1か月の拘束時間 | 284時間以内 |
| 1年間の拘束時間 | 3,300時間以内 |
| 運転時間 | 2日平均で1日9時間以内、2週平均で週44時間以内 |
一定の労使協定による拘束時間の延長や、所定の条件を満たす宿泊を伴う長距離貨物運送の特例もあります。
また、改善基準告示とは別に、労働基準法による労働時間・休日の規制や、時間外労働の上限規制にも注意が必要です。
人数を決める際は勤務割を作成する
例えば、5台を毎日運行する計画で運転者6人を確保しても、各運転者の拘束時間や休息期間を守れなければ、適切な勤務体制とはいえません。
そのため、必要人数を検討する際には、車両ごとの運行時間、運転者の勤務日、休日、休息期間などを整理することが重要です。
新規許可申請時に運転者はどこまで確保する?
一般貨物の新規許可では、事業計画を遂行するために必要な運転者を常時確保できる計画が求められます。
そのため、車両だけを先に確保し、運転者の採用や勤務体制を後回しにすることは避けたいところです。
申請準備の段階から、必要な人数、採用予定者、雇用形態、勤務体制などを整理しておくことが重要です。
実際の申請に必要な資料や人員の確保状況については、管轄運輸支局の取扱いを確認したうえで準備します。
よくある質問
Q.トラック5台で運転者が4人でも新規許可を取得できますか?
国土交通省の通達では、営業所全体に公休日があり、1人1車を原則とする場合でも、「運転者数≧車両数」という算定方法が示されています。
そのため、トラック5台に対して運転者4人という計画では、この算定方法を満たしません。
実際の必要人数については、営業日数、稼働台数、運行時間、交替運転者など、事業計画の内容を踏まえて確認する必要があります。
Q.トラック5台なら必ず運転者6人が必要ですか?
いいえ。6人という人数は、営業所が無休で5台を毎日運行し、各運転者が週6日勤務する場合の単純化した計算例です。
営業所全体が週1日休業する場合など、運行計画によって必要人数は異なります。
Q.社長が運転者を兼任できますか?
社長が実際に運転業務を担当する計画は考えられます。
ただし、他の業務との兼任や、許可申請上の取扱いについて確認する必要があります。
Q.アルバイトでも運転者として選任できますか?
雇用形態の名称だけで判断するものではありません。
雇用契約の期間や実際の勤務状況などを確認し、常時選任する運転者の要件を満たしているか判断する必要があります。
まとめ|運転者数は車両台数と運行計画の両方で考える
一般貨物の新規許可では、車両台数だけでなく、予定する運行を継続的に実施できる人数の運転者を確保する必要があります。
トラック5台の場合、営業所全体が週1日休業する計画では5人、営業所が無休で5台を毎日運行する計画では6人という計算例があります。
ただし、実際の必要人数は、運行時間、休日、交替勤務、年次有給休暇などを考慮して判断します。
一般貨物の新規許可は当事務所へ
島岡和雄行政書士事務所では、埼玉県を中心に、一般貨物自動車運送事業の新規許可申請をサポートしています。
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